はじめに

rehabilitation-skill-2023
研究代表者
研究代表者

・人口10万人に対するPTおよびOTの数は,2040年までに約3倍に増加すると言われており,供給数は年々高まっています1)

・また,入院医療,外来医療,在宅医療,介護分野におけるPTとOTの需要は今後,増加すると推計されていますが,現時点においても各々の供給数は需要数を上回っており,2040年には供給数が需要数の約1.5倍になると言われています.

・そして,このような増加に反して,新卒者の質の悪化が指摘されており,より良い教育の必要性が強く訴えられています2)

世界中の質の高い医療サービスは,効果的で,安全で,人々を中心に据えたものであるべきという明確なコンセンサスがあります3)

・厚生労働省4)は,患者に安全な医療サービスを提供する医療安全の重点の1つに,「患者との関係」をあげ,特にその関係において「患者の医療への参加」「対話が深める互いへの理解」が重要であると提唱しています.

リハビリテーション医療においても,セラピストと対象者との関係性は極めて重要であることは言うまでもないでしょう.

・それにもかかわらず,昨今において,両者間におけるより良い関係のあり方,すなわち,セラピストと対象者との信頼関係の形成について検討した研究は皆無でした.

・また,冒頭で述べたように,セラピストの質の悪化が指摘されているにもかかわらず,(対象者との良好な関係作りに)必要なスキルを,セラピスト自身が自己評価できるツールも皆無でした.

・そこで,私たちは,セラピストの技能を自己評価できるツールの開発および開発したツールを利用した人材教育の推進を目的として,以下の研究に取り組んできました

1.セラピストが対象者と信頼関係を形成する行為のプロセスについて

2.PT,OT,STの臨床能力および技能を測定する評価ツールの開発や利用について

3.CISA開発までの流れについて

1)CISA案の内容妥当性の検討について

2)CISAの測定特性の検討について

・このサイトでは,私たちがこれまで取り組んできた研究概要とともに,開発したCISAについて紹介します

1)厚生労働省.理学療法士・作業療法士の需要推計について.https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000499144.pdf(最終アクセス,2023.4.28).

2)厚生労働省.理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について.https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000499148.pdf(最終アクセス,2023.4.28).

3)WHO:Patient safety. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/patient-safety (最終アクセス,2022.10.2).

4)厚生労働省:安全な医療を提供するための10の要点.https://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0110/dl/tp1030-1a.pdf(最終アクセス,2022.10.2).

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